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前田雅巳個展レビュー

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こんにちは、Gallery TACHIBIです。

今回は立美講師OBで現代美術作家の前田雅巳先生の個展を見てきました!
http://liveandmoris.blogspot.com/



会場は、新橋駅から至近の現代美術ギャラリー、
exhibit Live & Moris さんです。


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地下2階のスペースは天井が高く、奥行きもあり、
作家が新作ビデオ・インスタレーション2点を大きく展開することを可能にしている。

2部屋の間の通路にはモニター2台が設置され、新作1点とアーカイブが
それぞれ上映されているほか、壁面にはドローイングの習作が展示されている。
いずれも作家自身がパフォーマンスを行ったものの記録である。





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前田雅巳の制作は、”生と死”という問題を作家自身の身体を用いながら思索する作業でもある。その動機は、作家自身が病を経験し自らが死に直面したことに根拠があるがゆえにか、作品からせつないほどに自己の内側から生と死の問題に真摯に取り組む強い主観性が伝わってくる。主観性が作品に強度を生む一方で、作家の身体はある種の媒体として作家自身の身体から切り離され作品のために逆説的に客観性を帯びて存在することになる。


そうした身体の意味付けのスライドのなかに苦悩の表出が見てとれるのが、目隠しをした全裸の男女が二人で縄跳びを試みる作品である。自分の思い通りにいかないコントロールの効かない身体と、自分の意志との狭間に生まれた葛藤は、ビデオのループによる時間の走りによって、十分な解決の時間を与えられないまま置き去りにされるか、作品のなかに救いようもなく横たわる。不自由を乗り越えようとする絶え間ない意志に付き添わず、客観性を帯びて時間の走りと帯同する身体は、生と死という問題に直面したときのわれわれの身体の無力さを否応もなく表出させるようだ。


そうした身体の時とした無力さを、
口の中に虫を入れて自由に動き回らせる作品において、
作家は蛾が羽が舌に貼りついて、手足を動かしても動けなくなる様に重ね合わせている。




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「虫は暗い方、暗い方に行く習性があって、なかなか口の中から出てこないんですよ。」
と語る前田雅巳先生。病弱な自身と虫の生命とを近いところで考えることもあるという。


会場でも鑑賞者に丁寧に作品の背景を説明してくれるように、自身の身体を真剣に用いて、生々しくも素直に伝えることをとても大事にしている作家である。


そして、生や死の問題を思索することで、
「自分の(個人個人の)存在を再確認すること。」を喚起している。

展覧会は10月31日(土)まで。

都守郊介=文
Text by Kosuke Tsumori
(Director of Gallery TACHIBI)





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