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東京ミッドタウン・デザインハブ「おいしい東北パッケージデザイン展」レビュー

東京ミッドタウン・デザインハブでの「おいしい東北パッケージデザイン展2015 in Tokyo」。東北地域10社10商品の魅力を発信するパッケージデザイン案を全国から募集し、選ばれた227点の展示。実用化を目指した企画のため、「花泉産ひとめぼれ」、「たこのやわらか煮」や「旨さの極みきゅうり」といった地域の地産商品の魅力を少しでも遠くへ商品として伝えるためのパッケージデザイン案。地元の人は日頃からその中身のおいしさを知っていて、直接買ったりしているわけだから、デザインが新たな効果を出すべく入る場所は、地域から外へ、そのdistanceにおいてある。The notion of "distance" - probably includes certain kind of "not knowing." 遠くにいる人にどのように視覚的に中身を知らせるか、 つまりおいしいという直接の体験の前に、おいしいかどうか知らないものを視覚伝達によって、おいしそう、という興味関心を抱かせることがパッケージデザインの力量として図られることになってくる。コカ・コーラじゃないよ?!?お米やたこやきゅうりは誰もが何かを知っていて、普通においしさを連想できる商品だから、この地域のこのお米が絶対的においしいのです、特別なおいしさです、というある種、楽観的な、視覚的プレゼンテーションが必要になってくる。そこでは、コカ・コーラ的な確固とした画一化の反復というより、求められているものはminor languageの強さ、マイナーな言語だからこそ主張できるみたいな下部からの予測できないムーブメントとなり得るものだ。

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求められているものはminor languageの強さ、マイナーな言語だからこそ主張できるみたいな下部からの予測できないムーブメントとなり得るものだ。その意味で、優秀賞の稲葉晴彦「花泉産ひとめぼれ」有限会社松勘商店パッケージデザインはとてもよかった。この手桶花器型の小さな入れものは、5kg,10kgという分量で一般的に流通しているお米の袋に「岩手ひとめぼれ」の文字と地域図でパッケージされていたものを、お米2合入るほどの小ささにまで絞ったものだ。このサイズは取っ手の穴に指をかければ指でキャリーできるほどのコンパクトさである。小さくして、ほんの2合ほどしか入らないお米の量を、日本の美を感じさせる桶の綺麗な形状のパッケージに入れ、紙色に高級感をもたせ、中央に大きく配置された「松勘」の文字に、箔押しのカラーで厳かなる落ち着きをもたせる。これに色のバリエーションを5つつくり並べられると、お米の重量感はなく軽いけれど、そのプレゼンスは圧巻だ。分量についてのbeing minor、自らがマイナーとなる行為がそこには挿入されている。そして、minor languageを語る装置として、この特別なお米が、ちょっとしたお洒落なギフトとして人々へ予測していなかった新たなダイアローグを届けるのだ。コカ・コーラじゃないよ?!?上からのキャプチャリングでない動き、現在の日本の状況に必要な地域から外へ、distance、"not knowing"を捉えるボトムアップの動きに関してデザインが力を発揮した事例である。― Kosuke Tsumori


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コカ・コーラじゃないよ?!?
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Kosuke Tsumori, Gallery TACHIBI, a committee of The TACHIBI ART FESTIVAL.
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